子どもがお年玉をもらうと嬉しい反面、「これってお返ししないとマズいのかな…」って気になりますよね。
特に相手に子どもがいない場合、今後も生まれる予定がないかもしれないし、何もしないのは申し訳ない気もする。
でも現金で返すのは変な気がするし、物を贈るにしても何が正解かわからない。
そんなモヤモヤを抱えているあなたに、今回は「お年玉のお返し」について、失礼にならない考え方と具体的な対応方法をお伝えします。
お年玉にお返しは必要?まず知っておくべき基本ルール

お年玉へのお返しは、基本的には「不要」というのが一般的なマナーです。
そもそもお年玉は、大人から子どもへ「新年の祝福」として贈るもので、見返りを期待していないのが前提。
冠婚葬祭のご祝儀やお香典のように「相互扶助」の性質ではなく、あくまで「贈与」なんですよね。
だから厳密にいえば、お返しをしなくても非常識ではありません。
ただし、ここで注意したいのは「お返しは不要」と「何もしなくていい」は別物だということ。
お金や物でお返ししなくても、きちんとお礼を伝えることは必須です。
子どもに「ありがとうございました」と言わせるのはもちろん、親からも改めて感謝の気持ちを伝える。
これができていれば、まず問題ありません。
また、地域や家庭によっては「お年玉をもらったら何かしらお返しするのが当然」という文化が根付いている場合もあります。
親戚間でのやり取りが多い家系や、昔ながらの風習を大事にする地域では、お返しをしないと「常識がない」と思われるリスクもゼロではありません。
つまり、一般論としては「不要」だけど、相手や状況次第では「あった方が無難」というのが正解。
自分の家族や親戚の空気感を読みながら判断するのがベストです。
お返ししないと非常識と思われるケース・思われないケース

お返しをしなくても問題ないケースと、した方が無難なケースを整理しておきましょう。
🔶 お返ししなくても大丈夫なケース
- 相手にも子どもがいて、お互いにお年玉を渡し合っている
- 祖父母や親戚が孫・甥姪に渡している(世代間の贈与として完結)
- 少額(1,000円〜3,000円程度)で、毎年の恒例行事になっている
- 相手が「お返しは気にしないで」と明言している
こういった場合は、きちんとお礼を言っていれば十分です。
特にお互い様の関係なら、変にお返しをすると逆に気を遣わせてしまうこともあります。
🔶 お返しした方が無難なケース
- 相手に子どもがおらず、今後も予定がない(一方的にもらう形が続く)
- 高額なお年玉(1万円以上)をいただいた
- 普段あまり会わない親戚や、距離のある関係
- 初めてお年玉をもらった相手
- 相手の家庭が「お返し文化」を重視している雰囲気がある
特に兄弟姉妹から一方的にもらう状況が続くと、「申し訳ない」という気持ちが積み重なりますよね。
相手は気にしていなくても、こちらが居心地悪く感じるなら、何かしらの形でお返しするのがスマートです。
ちなみに、「非常識」と思われるかどうかは、結局のところ相手の価値観次第。
でも少なくとも、感謝の気持ちをきちんと伝えていれば、大きく外すことはありません。
兄弟から子どもへお年玉をもらったときの無難な対応

兄弟に子どもがいない場合、毎年一方的にお年玉をもらう形になるので、モヤモヤするのは自然な感覚です。
まず前提として、兄弟が「甥や姪の成長を喜んで渡している」なら、それ自体は素直に受け取っていいんです。
子どもがいない人でも、身内の子どもに会えるのは嬉しいものですし、お年玉を通じて関わりを持てることに価値を感じている場合も多いです。
とはいえ、こちらとしては何もしないのは気が引けますよね。
そんなときの無難な対応がこちら。
1. まずは丁寧にお礼を伝える
当日中にLINEやメールで「今年もありがとう。〇〇(子どもの名前)がすごく喜んでいました」と送る。
できれば子どもからも一言添えると、相手も嬉しいはずです。
2. 年に一度、ちょっとした贈り物を
誕生日やお中元・お歳暮のタイミングで、3,000〜5,000円程度のギフトを贈る。
「いつもありがとう」という気持ちを込めて渡せば、自然な流れでお返しができます。
3. 食事をご馳走する
帰省時や久しぶりに会ったタイミングで、「この前はありがとう。今日はご馳走させて」と食事代を持つ。
現金のやり取りではないので、お互い気まずくなりません。
4. 子どもの写真や成長報告を送る
物やお金ではなく、「あなたのおかげで子どもが喜んでいます」という気持ちが伝わる形もアリ。
特に遠方に住んでいる兄弟なら、近況報告は喜ばれます。
ポイントは、「お年玉のお返し」として堂々と渡すのではなく、「日頃の感謝」という形に落とし込むこと。
そうすれば相手も受け取りやすいし、こちらも気持ちよく贈れます。
お年玉のお返し、いくらが無難?相場と金額の考え方

もしお返しをするなら、金額はどれくらいが適切なのか。
これも悩みどころですよね。
🔶 基本的な相場
- もらったお年玉が3,000円以下 → 1,000〜2,000円程度
- もらったお年玉が5,000円 → 2,000〜3,000円程度
- もらったお年玉が1万円 → 3,000〜5,000円程度
目安としては、もらった金額の「3割〜5割程度」が無難です。
あまり高額にすると、逆に相手が恐縮してしまいますし、「お年玉を渡すのが負担だったのかな…」と気を遣わせてしまいます。
逆に安すぎても「形だけ?」と思われるリスクがあるので、バランスが大事。
ちょうどいい塩梅を狙うなら、3,000〜5,000円のゾーンが最も使いやすいです。
🔶 金額を考える上でのポイント
- 相手との関係性(親しい兄弟なら少し多めでもOK、距離のある親戚なら控えめに)
- 毎年続くかどうか(毎年渡すなら無理のない範囲で)
- 自分の経済状況(無理して高額にする必要はない)
また、複数の子どもがいる場合は、それぞれにもらった総額で考えるのではなく、「一家族として」まとめてお返しする方がスマートです。
子ども一人ひとりに個別対応すると、かえって事務的になってしまいます。
現金は変?お年玉のお返しに向いている無難な品物

お年玉のお返しを現金でするのは、正直ちょっと変です。
お年玉自体が「現金」なので、それをまた現金で返すと、「お金の貸し借り」みたいな生々しさが出てしまうんですよね。
相手も「え、そういうつもりじゃないのに…」と戸惑う可能性が高いです。
なので、お返しするなら「物」が基本。
ただし、何でもいいわけではありません。
お年玉のお返しに向いている品物
| 品物 | おすすめ度 | ポイント |
|---|---|---|
| お菓子・スイーツ | ★★★★★ | 消え物なので気を遣わせない。デパ地下の詰め合わせなどが無難 |
| コーヒー・紅茶 | ★★★★☆ | 日常的に使えて実用的。ちょっと良いものを選ぶと喜ばれる |
| 入浴剤・ハンドクリーム | ★★★★☆ | 消耗品で使いやすい。女性向けならおしゃれなブランドが◎ |
| お酒 | ★★★☆☆ | お酒好きな相手なら喜ばれるが、飲まない人には不向き |
| カタログギフト | ★★★☆☆ | 好きなものを選んでもらえるが、少し事務的 |
| タオル・ハンカチ | ★★☆☆☆ | 無難だが印象に残りにくい。高級ブランドなら可 |
🔶 避けた方がいい品物
- 現金・商品券(生々しすぎる)
- 靴下・下着(縁起が悪いとされる場合がある)
- 刃物(「縁を切る」を連想させる)
- あまりに個性的すぎるもの(趣味が合わないと困る)
ポイントは、「消え物」か「日常的に使える実用品」を選ぶこと。
残るものだと相手に気を遣わせるし、処分にも困ります。
お菓子やコーヒー、入浴剤なら、使い切ってしまえばお互いスッキリです。
また、相手の好みがわかっているなら、それに合わせるのが一番。
普段の会話から「コーヒーが好き」「甘いものが好き」といった情報を拾っておくと、選びやすくなります。
のしは必要?表書き・渡すタイミングの最低限マナー

お年玉のお返しにのしをつけるかどうかも、迷うポイントですよね。
🔶 のしは基本的に不要
お年玉のお返しは、厳密には「御礼」なので、のしをつけても間違いではありません。
ただ、あまりに形式張ると逆に仰々しくなってしまうので、カジュアルな関係なら省略してOKです。
もしつけるなら、「御礼」か「心ばかり」という表書きが無難。
水引は「紅白蝶結び」を選びましょう。
🔶 渡すタイミング
- お年玉をもらった直後:その場でサッと渡せるなら一番スマート
- 数日以内:年始の挨拶のタイミングで渡す
- 誕生日やお中元のタイミング:少し時間が空いても、別の機会に「いつもありがとう」として渡す
正月にすぐ渡すのがベストですが、準備が間に合わなかった場合は、無理に急ぐ必要はありません。
「先日はありがとうございました。気持ちばかりですが」と一言添えて、後日渡せば大丈夫です。
🔶 渡し方のコツ
- 「お年玉のお返しです」とは言わず、「いつもありがとうございます」と自然に渡す
- 子どもがいる場合は、子どもから手渡しさせると好印象
- 郵送する場合は、手書きのメッセージカードを添える
堅苦しくしすぎず、でも感謝の気持ちはしっかり伝える。
そのバランスが大事です。
お返ししない場合にやっておきたい一言と態度

お返しをしないと決めた場合でも、やっておくべきことはあります。
🔶 1. その場でのお礼は丁寧に
子どもに「ありがとうございます」と言わせるのはもちろん、親からも「いつもありがとうございます。○○が喜んでいます」と一言添えましょう。
このひと手間があるかないかで、相手の印象は大きく変わります。
🔶 2. 後日、改めてお礼を伝える
LINEやメールで「先日はありがとうございました。○○が大事に使っています」と送るだけでも、相手は「ちゃんと感謝されている」と感じます。
できれば、子どもが喜んでいる写真を添えるとさらに◎。
🔶 3. 日頃から良好な関係を保つ
お年玉のお返しがなくても、普段から感謝の気持ちを伝えたり、困ったときに助け合ったりする関係を築いていれば、お互い気持ちよく過ごせます。
🔶 4. 子どもに感謝を伝える習慣をつける
「お年玉をもらったら、きちんとお礼を言う」ということを子どもに教える。
これは礼儀としても大事ですし、相手も「ちゃんと育てているんだな」と好感を持ってくれます。
❌ NGな態度
- お礼を言わない、言わせない
- もらって当然という顔をする
- 子どもの前で金額を確認する
- 後日のフォローを一切しない
お返しをしないこと自体は問題ありませんが、「感謝を伝えない」のはアウトです。
物やお金で返さなくても、気持ちの部分でしっかり返すことが、人間関係を円滑にする秘訣です。
お年玉のお返しに正解はありませんが、大切なのは「相手に感謝を伝える」という気持ち。
お返しするかしないかよりも、どう気持ちを表現するかが重要です。
あなたと相手の関係性、家庭の事情、経済状況を踏まえて、無理のない形で対応してください。

